今回の記事は、保育士の私が今後仕事に活かしたいと思って受講したベビーマッサージの資格講座からのお話です。
ベビーマッサージが良いということは、聞いたことがある方も多いかもしれません。
私もその一人でしたが「なぜ良いのか?」を講座を受けて改めて知ることができましたので、ベビーマッサージの効果や期待できることを紹介したいと思います。
ベビーマッサージとは
ベビーマッサージは、言葉では伝えきれない赤ちゃんへの深い愛情と、心と身体と脳をいたわる純粋な気持ちから生まれたコミュニケーション方法です。
赤ちゃんは、ママやパパなどたくさんの人に触れられることで、気持ちよさと嬉しさでにこにこ笑顔になり、心が満たされ身体の調子が整うとともに、脳にもたくさんの刺激がいきます。
脳を育むためには、「五感をいかに刺激するか」ということが大事なポイントになります。
人の五感は、触覚→味覚→嗅覚→聴覚→視覚の順に発達していきます。そのため、生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の手足をなめたり、さわったりすることで自分の体を感じ取ります。赤ちゃんにとっては、まずは抱っこや触れられる刺激がとても大切なのです。
ベビーマッサージでは、触れ合う刺激(触覚)のみならず、赤ちゃんの五感をバランスよく刺激しながら関わることができるので、乳幼児親子にオススメのコミュニケーション方法のひとつです。
● ベビーマッサージを始める時期は、月齢にかかわらず「首がすわってから」
● 赤ちゃんは最初ベビーマッサージに慣れていないので、最初から全てやろうと気負わず、できるところだけ行い「スキンシップ」を楽しむことから始める
ベビーマッサージの効果
子どもの生きる力を引き出す
赤ちゃんが生まれた直後に受ける皮膚刺激は、生き延びていくために必要不可欠なものです。動物の母親は子どもをなめまわしますが、人間はマッサージを行います。
そうすることで、誕生の疲れを癒し、子宮の外で生きていくための器官(呼吸器や排泄器など)を活性化させます。
赤ちゃんの発育がよくなる
昔から「寝る子は育つ」と言われますが、科学的にも睡眠中に成長ホルモンが放出されることが確認されています。ベビーマッサージによるリラックス効果は、赤ちゃんに深い眠りをもたらして成長ホルモンの分泌を高め、体重や身長の増加などの成長が促進されます。
親子の絆を深める
居心地の良い子宮に別れを告げて、この世界に生まれ出た赤ちゃんにとって、肌に触れられることは、歓迎されていることを知る最高のコミュニケーションです。
親との絆は、子どもの心が健やかに育つ出発点となります。親子の絆が自分の存在の核となりその後の発育、成長の土台となります。
愛と信頼の人間関係を育て、EQ能力を育てる
EQ=エモーショナルクオリティの略で、情緒的な能力のことを指し、代表的なものに対人関係能力などがあります。家庭でよく抱かれる子どもは、保育園の先生など家庭の外の人と仲良くなるのに成功し、その成功が次の新しい環境で成功していくもとになっていきます。
親とのスキンシップは赤ちゃんにとって最初の世界観であり、すべての人間関係の基礎となります。親との間に確かな信頼関係を持てた子どもは、良好な人間関係のパターンを身につけているので、その後の人生でも優れた対人能力や社会性を発揮します。
育児に自信とゆとりをもたらす
ベビーマッサージによる赤ちゃんとの皮膚接触は、ママの体内にオキシトシンを分泌させ、産後の回復や精神的な安定、充実感を導き出します。
ベビーマッサージを通じて赤ちゃんの気持ちや日々の調子を把握できるようになると、欲求を言葉で表せないでいる赤ちゃんの思いを感じ取ることができ、細かく見分けられるようになります。それにより、安心と余裕を持って対処でき、子どものかわいらしさを味わうことができます。
自律神経のバランスが整い消化機能が高まる
ベビーマッサージの心地よい感触が、内臓の発育を助けます。自律神経のバランスが整うことで胃腸の働きが活発になり、インシュリン(ホルモンの一種)が分泌され、食物の消化吸収率が高まります。消化機能が高まるので、お腹の不快やガスが消化され下痢や便秘の改善が期待できます。
夜泣きが改善される
夜泣きの原因については各国で研究されていますが、現在でも解明されていません。胃腸の不快感や痛み、ガス溜まり、過剰刺激が原因という説がありますが、夜泣きにもベビーマッサージがとても効果的です。夜泣きが改善されるだけでなく、睡眠の質が高まり赤ちゃんがぐっすりと良く眠るようになります。
抵抗力・免疫力が高まる
ベビーマッサージによって循環器系の発達が促されるので、血行が良くなり栄養が細胞の隅々まで行き渡ります。筋肉の緊張がほぐれ、リラックス効果で解毒力や抵抗力がつきます。さらにリンパ系に働きかけるので赤ちゃんの免疫力が高まります。
五感を刺激し豊かな心と体と脳に
ママと目を合わせて(視覚)、話しかけながら(聴覚)、優しい手で触れることで(触覚)、大好きなママの香りを嗅ぐ(嗅覚)、ベビーマッサージは沐浴と同じくらい軽い運動をしたように心地良いものです。ベビーマッサージの後の母乳やミルク、離乳食がさらに美味しく感じます(味覚)。このようにベビーマッサージでは五感をフルに使うことができ、脳の神経回路「シナプス」をたくさん刺激するため脳育につながります。
赤ちゃんの運動機能が高まる
赤ちゃんの運動能力は、脳を含む神経系と神経組織の成長具合によって決まります。
神経(脳)が発達することで他の器官も発達します。乳幼児期は、運動するだけで脳がフル回転しています。運動神経が発達すると多彩な手足の動き、機敏さ、はいはい、立つ、歩く、など成長に従った運動機能が充実していきます。
赤ちゃんの呼吸が深まる
呼吸は生命維持に欠かせません。大人も子どもも呼吸が浅いと感覚や感性が鈍くなり、イライラしたり情緒不安定や無気力、無関心を招きます。
呼吸で体内に取り込まれた酸素は、血流で全身に送られます。成人はそのうち約4分の1が頭に配分されますが、幼児の場合は半分が脳に送られます。ベビーマッサージでリラックスして呼吸が深まれば、脳の成長にも良い効果をもたらします。
赤ちゃんに幸福感をもたらす
スキンシップは心地良く、赤ちゃんは大好きです。ベビーマッサージは機嫌の悪い子どもを落ち着かせ、気持ちを安らげます。触れられることは、エンドルフィン(ホルモンの一種)の産出を促し、赤ちゃんに満足感と幸福感をもたらします。
赤ちゃんの将来に良い影響を与える
ベビーマッサージは身体的な効果はもちろん、心理的にも大きな恩恵をもたらします。赤ちゃんの場合、効果が現れるのがとても早く一目瞭然なので、やりがいがあります。しかし子どもの発育は、その時すぐ現れるものと、その時点では目に見えなくても将来大きな違いになって現れてくるものがあります。さらに人生初期の接触不良は、成長後の行動異常や心理的な問題につながる可能性があるとも言われます。
ベビーマッサージによる安らぎと幸福感は、赤ちゃんのその後の精神的な発達に重要な影響をもたらします。
自信に満ちた賢い子どもに成長する
生まれてすぐに体験することは、その後の人格形成のベースになり自己肯定感を育むきっかけの一つになります。親子の絆を結べなかった子どもは常に欲求不満の状態で、母親の代わりとなるものを探し求め、心理的にさまよいます。一方、スキンシップで家庭の愛を実感した赤ちゃんは、情緒がしっかりと安定し、自信に満ちた賢い子どもに育ちます。
神奈川県子ども医療センターの調査では、子どものIQ(知能指数)は情緒的な環境の良し悪しによって変化することが分かり、情緒が安定している子どもほど、知能指数が高い傾向にありました。ベビーマッサージによる情緒の安定は、IQの発達にも影響します。
ベビーマッサージに期待できること
●免疫力、自然治癒力が高まる ●情緒の安定 ●リラックス効果
●血液の流れが良くなる ●新陳代謝の促進 ●自律神経の安定
●リンパの流れが良くなる ●身体が温まる ●睡眠力が高まる
●神経の伝達をスムーズにする ●老廃物の排出 ●脳の活性
上記の効果に加えて、各部位のベビーマッサージで期待できることにそれぞれ特徴があります。
コミュニケーションとしての触れ合いに加えて、便秘の悩みや運動機能の発達の悩みなど、心配ごとに合わせて、改善が期待できる部位を重点的に刺激するのも良いと思います。
ママへの効果
ベビーマッサージは、赤ちゃんだけでなくママ(パパ)にも良い効果をもたらします。親子でしあわせな時間を過ごせると良いですね♪
ベビーマッサージを日常に取り入れよう!
赤ちゃんにとっても、ママやパパにとっても、ベビーマッサージによるコミュニケーションは良いことがたくさん!
私が今回資格取得のために通ったのは、YMCメディカルトレーナーズスクールです。こちらは、保育士さんや看護師さん、ヨガのインストラクターさん等お仕事で活かしたい方の参加も多く、専門的に学びたい方にオススメの講座です。もちろん、子育てに活かしたいママさんも参加できます。
今後、当ブログにて具体的なやり方もご紹介していきたいと思いますが、お近くでベビーマッサージの教室などが開催されていれば、親子で参加してみるのもオススメです。
もし近くにないという方は、具体的なやり方が分かる書籍なども販売されていますので、参考にしてみるのも良いかもしれません。