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BLWとは?赤ちゃん主導の離乳食のメリットやデメリット、参考になる本などをまとめました

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BLWという言葉を聞いたことがありますか?

BLWとは「Baby-Led Weaning」の略で、赤ちゃん主導の離乳食の進め方のことです。

私も娘の離乳食中期ごろに初めて聞いたのですが、それまで自分が知っていた離乳食の進め方とは全然違っていたので、衝撃を受けたことを覚えています。

わが家はBLWで離乳食を進めていったわけではないのですが、BLWを知ったことで離乳食にもいろんな選択肢があることを知りました。

そして「離乳食はこうでなければならない」と思うこともなくなり、少食の娘の離乳食の進め方についても、より柔軟に考えることができるようになりました。

今回の記事では、そんなBLW(Baby-Led Weaning)について、こんな内容を詳しくまとめています。

  • BLW(Baby-Led Weaning)とは
  • BLWのメリット・デメリット
  • BLWを行う際の注意点
  • BLWに関する参考書籍

離乳食の進め方に、新しい選択肢が広がれば嬉しく思います。

BLW(Baby-Led Weaning)とは

イギリスで生まれた離乳食の考え方

Baby-Led Weaningは、「Baby(赤ちゃん)が Led(主導の)Weaning(乳離れ)」と訳される、イギリスで提唱された離乳食の進め方の一つです。

2008年にイギリスで出版された書籍「Baby-Led Weaning」で紹介され、現在はヨーロッパやアメリカを中心に20か国で翻訳出版されています。

BLWでは、離乳食を始めるタイミングを赤ちゃん自身が決めるので、スプーンで食べさせたり、裏ごしをする必要はないとしています。

最初は手づかみで、徐々に食器を使って食べられるようになるので、無理に食具を使う練習を行う必要もないのだそう。

生後6ヶ月から手づかみで食べる赤ちゃん

生後6ヶ月頃になると、赤ちゃんは親が食べる姿に興味を示したり、口をパクパクしたりするようになります。

BLWは、生後6ヶ月以降に赤ちゃんがまっすぐ座ることができるようになってから始めます。

保育士ママ
保育士ママ
生後半年ほどの赤ちゃんが、野菜を手づかみ食べする姿ってちょっと衝撃的ですよね?

日本の離乳食との違い

日本の離乳食では、初期・中期・後期・完了期と分ける考え方が一般的です。

私も娘の離乳食開始前には、市の保健福祉センターで開かれた離乳食教室に参加しましたが、そのような進め方を教わりました。

離乳食のすすめ方〜地域の保健センターの離乳食教室で教わったことをまとめました娘が5ヶ月を迎える前に、地域の保健センターで開催されている離乳食教室に参加してきましたので、学んだことをもとに離乳食の進め方をまとめてみ...

また、市販されている離乳食の本や、行政で配られる資料なども基本的には同じですよね。

そんな日本の一般的な進め方と、BLWはどう違うのかまとめてみます。

日本の一般的な進め方は、厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」を参考にしています。

離乳食を始める目安

BLW
  • 自分で座れる
  • 物をつかんで口に運ぶことができる
  • 保護者の食べ物に興味を示し、つかもうとする
  • 口をパクパク、もぐもぐする
  • 生後6ヶ月以降が適当
日本の一般的な進め方
  • 首のすわりがしっかりして寝返りができ、 5秒以上座れる
  • スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる
  • 食べ物に興味を示す
  • 子どもの様子をよく観察しながら、親が子どもの「食べたがっているサ イン」に気がつく
  • 生後5〜6ヶ月頃が適当

食卓のようす

BLW
  • 赤ちゃんの食べる準備が整ったら、家族と食卓を囲み一緒に食事をはじめる
日本の一般的な進め方
  • いろいろな食品の味や舌ざわりを楽しむ、手づかみにより自分で食べることを楽しむ
  • 家族等が食卓を囲み、共食を通じて食の楽しさやコミュニケーションを図る

食事の与え方

BLW
  • 食具は使わず手づかみで。テーブルに食材を2〜3種類置いて自由に食べさせる。
日本の一般的な進め方
  • 新しい食品を始める時には、離乳食用のスプーンで1さじずつ与え、子どもの様子をみながら量を増やしていく。

かたさの目安

BLW
  • 危険ではない固形物
日本の一般的な進め方
  • なめらかにすりつぶした状態〜舌でつぶせる固さなど、離乳食が進むとともに固くしていく

BLWと日本の一般的な離乳食で大きく違うのは、食べ物を運ぶのが誰かという点です。

BLW=赤ちゃんが食べ物を運ぶ(自分で食べる)

日本の離乳食=大人が食べ物を運ぶ(大人が食べさせる)

一方で、赤ちゃんのペースや食欲に合わせたり、家族で食卓を囲むことの大切さはどちらにも共通しています。

BLWの進め方(基本原則)

①赤ちゃんを家族の食事の時間に加える

食べさせなければいけないと考えず、まずは家族が食べている場所に同席させます。その状態で、赤ちゃんが食べ物に手を伸ばして自分で口に運んで食べ始めたところをスタートとします。まさに、赤ちゃんが食べるスタートのタイミングを自分で決める、赤ちゃん主導の食事となります。

②楽しくて集中できる(空腹でない時)に行う

赤ちゃんは意外なことに、お腹が空いていて不機嫌なときは、食べようとしないことが多いです。そのため、ある程度お腹が満たされた状態で、あくまで「食べる練習」として行います。栄養を摂るということを最初から考える必要はありません。

③まっすぐ座る

安全のためにも、まっすぐ座れるかということは大切なポイントです。座れるようになる時期は個人差があるので、生後6ヶ月になったからといってすぐに始められないケースも多いです。その子の成長に合わせて、開始時期を合わせて待つことも必要です。

④家族と同じ健康的な食事を与える

赤ちゃん用に食材をすりつぶすなどする必要はなく、家族の食事で健康的な食べものは赤ちゃんに取り分けられます。

【例】果物や調理済みの野菜、肉、チーズ、よく加熱した卵、パン(またはトースト)、米、パスタ、魚など

はじめは赤ちゃんがつかみやすい、太くて長いスティック状のものを数種類並べます。

徐々に新しい形や食感のものを与えることで、赤ちゃん自身がどうやってそれを扱うか学びます。

BLWのメリット・デメリット

BLWについて、私が感じたメリットとデメリットをまとめてみます。

BLWのメリット

  • 食材を裏ごしするなど、特別な離乳食の準備が必要ない
  • 赤ちゃんの五感や自主性が育つ
  • 「食べさせなければ」というプレッシャーが少ない

食材を裏ごしするなど、特別な離乳食の準備が必要ない

これは親にとってのメリットですが、裏ごしやすりつぶすなどの大変な離乳食の準備が必要なくなると、食事の支度の負担が減りそうです。

赤ちゃんの五感や自主性が育つ

赤ちゃんが自分で食べる機会を持てるので、食べさせられるのに比べて自主性が育まれます。また、食材を見て、手でつかんで口に運ぶという一連の動作の中に、五感をフルに使う機会があります。

保育士ママ
保育士ママ
五感への刺激は、赤ちゃんの脳を育むうえでも、とても大切なことなんですよね!

「食べさせなければ」というプレッシャーが少ない

BLWでは、赤ちゃんが自分で食べる順番や量、ペースを決めて、赤ちゃん自身が食べるまで周りの大人は食べさせず待つことを基本とします。そのため、赤ちゃんがいっぱい食べても、量が少なくても大丈夫と、全体的におおらかに構えることができます。

BLWのデメリット

  • 後片付けが大変
  • 窒息や消化不良が心配
  • 赤ちゃんが選ばないものを食べさせないと栄養に偏りが出てしまう

後片付けが大変

離乳食初期から赤ちゃんが手づかみ食べをするので、エプロンやテーブルがぐちゃぐちゃに汚れます。一般的な離乳食の進め方と比べると、後片付けは大変になりそうです。一般社団法人日本BLW協会も、このように言っています。

多かれ少なかれ汚されることを予想しておいてください。きれいなマットをテーブルの下に敷くことによって、落ちた食べ物を拾って再度あげることができます。

参考:一般社団法人日本BLW協会HP

窒息や消化不良が心配

最初から固形物を手づかみ食べするので、うまく咀嚼できなくて「おえっ」となることがあります。ただ、BLWでは「窒息の危険性は離乳食と同じ」としており、咀嚼する経験を通して、赤ちゃんはうまく口を使う学習をしていくとしています。

しっかり見守って適切な補助をすれば危険なことはないのですが、「おえっ」となる赤ちゃんを見て心配になることはあるかもしれません。

そして、特に歯が生えていない頃は咀嚼が不十分で、食べ物がそのままの形で便として出てくることがあります。赤ちゃんの成長に合わせて形状を変えていく一般的な進め方に比べると、消化に負担がかかってしまいます。

赤ちゃんが選ばないものを食べさせないと栄養に偏りが出てしまう

赤ちゃんが食べるものは、赤ちゃん自身が選ぶという考え方なので、赤ちゃんがバランス良く食べ物を選ぶかは分かりません。

そうは言っても、一般的な離乳食でも特定の食材を食べない子はいますし、栄養バランスの心配はBLWだけにあるものではなさそうです。

BLWを行う際の注意点

最初からたくさん食べてくれることを期待しない

最初はほとんど食べないのが普通です。日本の離乳食でも、BLWでも最初からたくさん食べてくれることをあまり期待しないほうが良いです。うまく進めばもちろんそれで良いのですが、うまく進まないことも全然普通のことです。

授乳のペースも9ヶ月くらいまではほとんど変わらないことも多いので、深刻に悩む必要はなく、おだやかに考えていくことが大切です。

赤ちゃんを絶対に一人にしない

自分で食べるからといって、赤ちゃんが食べている間は絶対に目を離さないようにします。

基本的な安全策を守っていれば、BLWによる離乳は、従来の離乳食で固形物を導入する方法よりも窒息が起こりにくいとされています。

しかし、うまく飲み込めず窒息してしまう危険を防ぐために、窒息のリスクが高まるケースを知っておくことも大切です。

  • 食べながら後ろへそり返る姿勢
  • 吸って食べる
  • 気が散る、動き回る
  • 小さくて固いもの

避けるべき食品

赤ちゃんの健康と安全のために、以下のような食品は与えないようにします。

  • 塩と砂糖を必要以上に加えたもの
  • ファストフードや調理済み食品(これらは塩分や糖分が多く含まれます)
  • ハチミツ、加熱が十分でない卵や魚介類、甲殻類
  • ナッツなど硬くて小さなもの
    (オリーブやチェリーなどの小さくて丸いものは半分に切り、種は取り除く)

BLWに関する詳しい情報について

一般社団法人 日本BLW協会

一般社団法人日本BLW協会のホームページには、BLWに関する詳しい情報がまとまっています。PDFのリーフレットをダウンロードすることも可能です。

書籍:『「自分で食べる! 」が食べる力を育てる:赤ちゃん主導の離乳(BLW)入門

本記事の冒頭でも紹介した、BLW発祥のイギリスで出版された本の日本語訳です。手元に本があったほうが安心という方は、購入しておくのも良いかもしれません。

歯科医・小児科医など専門家に相談

BLWの導入や進行をサポートしてくれる施設には、歯科医院や小児科病院などがあります。

もし食物不耐性、アレルギーまたは消化器疾患の家族歴がある場合、または赤ちゃんの健康や発達に関する不安がある場合は、BLWの導入についてかかりつけの小児科医と話し合ってください。

それ以外でもお子さんがBLWを行っても大丈夫か不安な場合は、専門家に相談のうえ進めていけると安心です。

先述した一般社団法人日本BLW協会のHPにて、BLW支援施設についても紹介されています。

まとめ:離乳食に選択肢が広がりますように

今回はBLW(Baby-Led Weaning)についてまとめてみましたが、どのような印象を持ったでしょうか?

私自身はBLWについてまだまだ知らないことが多いので、推奨することも否定することもできないのが正直な気持ちです。

ただ、BLWを知ることで離乳食の進め方に選択肢が増えたり、考え方をうまく取り入れて親子で離乳食を楽しめるようになるのはいいなと思いました。

もしBLWを魅力に感じた方は、しっかりと理解をしたうえで正しく導入していけるといいですよね。

離乳食に限らず、育児は親子がしあわせや楽しさを感じることができる選択をするのがいちばんです。

BLWという一つの考え方を通して、離乳食の進め方に選択肢が広がり、子育て中のママパパが無理なく楽しく離乳食タイムを過ごせるようになれば嬉しく思います♬